退院支援事業 第3回看護職研修

平成29年11月22日(水)に退院支援事業、第3回看護職研修を開催しました。
講師は高知県立大学より来院され、在宅看護 川上理子准教授、退院支援事業専任の乾看護師から
「家族の意志決定を支える」、「病院と在宅をつなぐ」というテーマで研修が行われました。
事例紹介やグループワークを法人内外の17名の多職種が真剣に取り組めた濃密な研修会となりました。
両先生並びに外部から参加いただいた皆様お忙しいなかありがとうございました。職員の皆様お疲れ様でした。
研修写真の様子と今回は回復期リハビリ病棟から有澤看護師の研修後の想いを掲載しますので、是非ご覧下さい。
(経営企画部 安岡)
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【看護職研修を終えて 回復期リハビリ病棟 有澤 恵看護師】

「家族の意思決定を支える、療養者と家族の意思決定を支援するケア」 高知県立大学 川上理子先生
 事例では、90歳男性(次男夫婦と同居・アルツハイマー認知症、認知面の低下が目立つ)の退院先について、主に介護をしている次男の妻と同居していない長男、長女と考えが違い、患者と家族が共に納得する退院先をどのように決定するかをグループワークしました。当院では主に相談室(社会福祉士)が担当していますが、病棟看護師として入院中から患者や家族の意思決定にかかわる方法を学びました。

「~病院と在宅をつなぐ看護~というテーマで実際に経験した在宅看護の事例紹介」 退院支援事業専任看護師 乾由美先生
 独居男性(要支援2・慢性心不全を繰り返し入院)の全身状態が安定し、退院する際に、病棟では日常生活動作全般に介助を要している状態である点について、ケアマネジャーから訪問看護ステーションへの相談があり、相談の結果、退院前から退院後の生活(心不全の管理)について、生活を支える家族、地域スタッフでの病態マネジメントが行われることになり、安全、安楽に在宅生活が送れるようになった事例でした。

  この事例から、数年前に自宅の隣に住んでいたおじいさんのことを思い出しました。その方は、妻に先立たれ独居生活で、遠方で暮らす息子夫婦から一緒に住まないかと提案を受けても「地元がいい。知らん土地にいって楽しいこともなにもない。」と、介護認定も受けずに暮らしていました。子供が好きで私の子供たちと一緒に散歩したり、遊んでくれてよく面倒をみてくれていました。
 おじいさんの心臓が悪いことは聞いていましたが、「おじいさんだいじょうかな?」と思う行動が増えはじめたころ、駐車場に鼻血のような血痕を見つけました。うちの子じゃないし、きれい好きなおじいさんならすぐ片づけるのに…と気になりながら4日後、旅行から帰るとおじいさんの家のポストには新聞がたくさん残ったままでした。嫌な予感がし、近所の方とお宅へお邪魔すると、おじいさんは倒れて動けなくなっていました。数週間後、息子さんから亡くなられたと連絡がありました。さらに数週間後、民生委員のおじいさん(民生委員もおじいさん)が亡くなったことを知らず、訪問にこられ憤った表情で地域の高齢化の話をされて帰りました。

 今回の研修を受けて、おじいさんは薬をちゃんと飲んでいたのか?(血痕は血液をサラサラにする薬を飲んでいたが、コントロールできていなかったのかも)ご飯は食べていたのか?病院にはいっていたのか?地域にいる私が地域への橋渡しができていたら、おじいさんはもっと長生きができたのではないかと、後悔の念に駆られ胸がいっぱいになりました。

 私が看護師として介護支援専門として地域の住人としてできることは、今ははっきりわかりませんが、まずは、病棟の患者さんが安心して在宅へ戻れるようできるよう、しっかり学習し多職種で協働、連携ができるスタッフになりたいと思いました。

 

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