平成29年4月より田野病院で仕事させていただくこととなりました。思い起こせば平成22年の春、大型バイクの免許を取得でき、嬉しくなって室戸まで出かけた際に、朝ごはんを食べたのは田野駅屋でした。食事をしながら、国道を挟んで向うに見える病院はきれいだなあとつくづく感じ入っておりました。その時は、当院で働く機会があるとは思ってもみませんでしたが、縁あってこの度当院で働かせていただくことになりました。
私の専門は消化器外科ですが、特に、腹痛・吐血・下血に対するカテーテル治療・内視鏡治療・手術治療を得意としています。昭和57年に筑波大学医学部を卒業し、大学およびその関連病院、国立がんセンター病院、マイアミ大学医学部附属病院などで研鑽を積んできました。高知にもどってからは、市内の病院で急性期医療を扱う外科医として20年の長きにわたり勤務してきました。同じ病院に長く勤務して何が一番よかったかというと、自分の手術後10年以上の長期生存患者さんをたくさん見ることができたという点です。患者さんがどんなに悪い状況にあっても、外科手術の工夫次第で患者さんの望む1日を提供できる可能性があるのなら、あきらめないで一生懸命考えたいし、そこに外科手術の喜びや素晴らしさがあると思っています。
高知県では病院も医師も高知市に集中する一方で、東部地域では極端に少ないという厳しい現実があります。そのような状況の中でも、精一杯の工夫をこらし、東部地域の人々の健康を守り、地域社会の活性化に尽力させていただきたいと気持ちを新たにしております。人口は少なくても豊かな自然と豊かな心がこの地にはあり、医療・療養環境としては最高だと思います。質の高い医療の整備と提供、快適な療養環境の確保、医師をはじめとする医療スタッフの安定確保など様々な課題に対し、みなさんと力を合わせてこれから誠心誠意取り組んでまいりたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
院長 近森文夫