主な訓練内容
運動療法
運動療法とは、その名称どおり運動すること、つまりは身体を動かすことを治療法として用いることです。例えば、関節の動き良くすること、筋力増強、麻痺の回復の促進、歩行などを通して心肺機能の維持・向上を図ることなどがあります。
物理療法
物理療法は、身体に物理エネルギー(温熱、寒冷、電子刺激、光線、その他)を加えることで、生理的生化学的変化を起こし、血液循環の改善、筋の緊張や痛みの除去、軽減するものです。膝や肩などの関節痛や腰痛などの軽減や運動しやすくすることを目的とします。物理療法は運動療法とならぶ治療手段で、安定した出力が得られる(効果は個人差がある)、副作用が少ないといった特徴があり、運動療法の前処置としても実施されます。
設備紹介
免荷式リフト POPO
POPOはリフト機能のある歩行器で、身体を吊り上げて下肢にかかる体重の負荷を軽減する装置です。ハーネスが体をしっかりと固定するので、バランスを崩した際も転倒の危険が軽減できますし、体重100㎏までの患者様の立位・歩行訓練にも使用でき、大柄な方の介助の際の、介助者の腰痛を予防できます。POPOの特徴は、「簡単、安全、小型」であり、使い勝手が優れています。当院でも導入直後から即戦力として活躍してくれています。
急性期ではリスク管理下でPOPOを使用し運動する事で、早期離床による廃用症候群予防や、脳血管障害患者様には早期立位・歩行訓練による運動麻痺の早期回復、運動器疾患患者様には、足への荷重を軽減した状態での歩行訓練が実施出来、疼痛の軽減や慢性化の抑制に使用できると期待しています。
また回復期では、より積極的な立位・歩行訓練に使用できると思われます。歩行は全身の7割以上の筋肉が動員されると言われる程効率のいい運動です。筋力増強だけでなく、呼吸器、循環器に対する運療法としても低負荷から開始でき、更なるADL(日常生活活動)の改善が期待できます。
当院ではすでに、脳血管、運動器疾患患者様に対してPOPOを積極的に使用しています。特に脳血管患者様は、麻痺が重度で立位・歩行が困難な患者様に、抗重力位(重力に逆らう姿勢)をとらせるための導入期として使用をしています。始めは体をしっかりと支えることが出来ない方も多いですが、次第に顔を上げることが出来るようになったり、身体を起こすことが出来るようになったり、足を一歩前に出すことが出来るようになったりと、日々繰り返しPOPOを使用していくことで変化を見ることが出来ます。また運動疾患患者様には、疼痛により歩行が困難な方に対して使用しています。大腿骨頸部骨折術後や、変形性膝関節症などの痛みを伴う疾患をお持ちの方は、歩くこと自体を拒否されたりしますが、すこし体重を支えてあげることで痛みが軽減する場合が多く、低負荷から歩行を行うことが可能です。次第に荷重量を上げていき、最終的にPOPOを卒業し、通常の歩行器での歩行が可能となった方もおられます。全ての患者様に適応で、効果が期待できるというわけではありませんが、リハビリのスタッフにとって訓練方法の選択肢の一つとして、即戦力となって活躍しています。
IVIS(アイビス)
脳卒中などによる麻痺症状に対して、脳からの命令(電気信号)を読み取り、適切に筋肉に伝達することで麻痺筋の活動を促通し、麻痺側機能の回復を促します。
PROTECHNO PNF
プロテクノPNFは電気刺激により筋肉を収縮させることで、患部のマッサージ効果に加え、神経と筋の再教育を行います。これらの効果により、疼痛の緩和が期待できます。
渦流浴(温熱療法)
水圧によるマッサージ効果。
浴槽中に回転性の水流を起こし、渦流による機械的刺激を加えることで、温熱効果とマッサージ効果とを同時に期待でき、末梢循環の改善が得られる、末梢循環障害の改善、やけどや創傷治癒促進とケロイド予防などに有用である。
基本時間:10分未満
ホットパック(温熱療法)
温かいもので患部を覆うことによりその組織を加湿して治療を行うものです。リラクゼーションの効果もあります。
基本時間:10分未満
パラフィン浴(温熱療法)
パラフィンは熱伝導率が小さく(水の0.42倍)、比熱が極めて高いという性質を持つロウのような物質です。このような性質を利用して温熱効果が期待できます。また、手足などの細かな凸凹のある部位にも密着するため、温熱効果が期待できます。
基本時間:10分未満
低周波(電気療法)
導子と呼ばれる2個以上の端子の間に、弱いパルス波電流を流すことで、肩こりや腰痛などの痛みを緩和することを目的とします。
マイクロウェーブ(温熱療法)
電子レンジと同じマイクロ周波数を利用し、身体の奥から患部を暖める方法です。体表面だけでなく、身体の奥まで均等に暖めることができます。(体内に金属が入っている部位には適応されません)
基本時間:10分
滑車(物理療法)
椅子に座って天井からつるされた滑車に下がっているヒモを両手に持ち、交互に引っ張りヒモの力で、腕を真直ぐに伸ばします。
肩こり,腰痛症,膝痛,神経痛などに対する訓練の際に用います。
基本時間:10分
ローラーベッド(物理療法)
ローラーとバイブレーションによるマッサージ効果によって、肩こり、腰痛などの緩和とリラクゼーション効果をもたらします。
基本時間:10分
牽引機(牽引療法)
椅子に座り、装具をアゴの部分にあて(肌に直接接触するのでティッシュペーパーを当てます)それから、負荷が7~10kgかかりますので10分間真正面を見ていただきます。
脊椎牽引療法は、頚椎、腰椎などの脊椎症や椎間板ヘルニアのほか脊椎に起因する症状の軽減を図ることを目的としています。
基本時間:10分
プラットフォーム(理学療法)
田野病院では、急性期の患者様が車イスでの移動を必要とすることが多い為、車イスからベッドに移動することも訓練とし、ベッド上では理学療法士による指導のもと手足を動かす訓練をします。
理学療法(たたみ)
和式生活を送るために必要な動作の練習(床からの立ち上がりなど)や動作の評価、その他幅広く訓練に利用します。
エアロバイク(運動療法)
長い間寝たきりにより心肺機能や筋力が衰えた方や、心臓疾患や糖尿病、高血圧症などの低い運動負荷しかかけられない方に対してその負荷を設定して運動を行わせる機械です。